新ハイキング川崎

 ミャンマー旅行記
 

ミャンマーに行くというと、まず「大丈夫なの」と聞かれるのは、今に始まったことではなかった。

「どこにあるの」と聞かれるのと同じくらい・・。

中国・インド・タイ・ラオス・バングラデシュといった国々と国境を接しているミャンマーは、以前はビルマと呼ばれていた。ある程度の以上の世代の人には、こちらの国名のほうがなじみ深いかもしれない。

 
 

20年以上続く軍事政権の圧政、一昨年9月の市民デモと武力鎮圧、そして昨年5月のサイクロンによる目を覆わんばかりの甚大な被害・・・・。ミャンマーから伝えられるニュースはいつも不穏で暗く救いがない。行った事のないかたには、どれほど荒廃した国かと思われる。そして、そざかし治安も悪いのだろうと。

ミャンマーにはめぼしいものは何もない。無数のパゴダ(仏塔のこと)とあまりに美しい人々の心があるだけだ。

そして、静かで貧しく慎ましい日々がただ繰り返されている。

 
 
パゴダの日陰をテレテレ歩いていると「あっ、日本人だ〜」と興味津々な少女たち。カメラを向けたらキャーキャーとうれしそうでした。このとおりの無邪気な表情はどこでも見かけられる。なんだかうれしくなっちゃいました。なんでこうも日本の子供と違うのか?と不思議に思う。 
 
 
 

今、この国の人たちはかつての私たちと同じような日々に加えて、さらに祈りを欠かさず、豊かな来世を願って僧侶への功徳を行ない、そして、言葉も通じない旅行者にでも、こうして笑顔を向けることができている。

 
 
少数民族のおばちゃんたちがゆっくり川を下っていきます。きめきめの民族衣装が誇らしげでした。 
 
彼らは知らないに違いない、実は、豊かな国で暮らす私たちがとうに失い、今もさらに忘れ果てようとしている多くのものを、自分たちがきちんと持ち続けていることも、それらに包まれて暮らせることの幸福も。もしかすると、代表的な先進国で生きている私たちなどよりも、ある意味ではずっと豊かであることも。 
 
 

お腹がすいたので、何か買おうかしら……ってな感じで一日何度も買い食い。ミャンマーはホントにいい国じゃ〜

買い食い天国、ミャンマー。街のそこかしこに屋台が出ていて、食いしん坊のボクにはもってこい。ちなみにもりもり食ってたが、ミャンマーでの腹イタは一度もなしホントにいい国じゃ〜

 
 
インド人街で「パパ、大好き!」って感じの少女を発見。カメラを向けると得意げな顔をしてくれました。 
 
夕暮れどきのマンダレー湖。どこにいても夕陽は実にキレイだった。ミャンマーは夕方の似合う国だ。 
 
うぅ、渋すぎる……と思わずシャッターを切ったバス、この国がイギリスの植民地だった頃から走っていたものらしい木造バスで、車体に乗り込むと、古めかしい革張りベンチシートに、どの窓にも木製の鎧戸がついているという造り。鎧戸は下手にいじると壊れてしまいそうで、開いている窓も中途半端なものもあったが、そのままにしておくほうがよさそうに見えた。木製バスは大げさなエンジン音を響かせながら、でこぼこ道を突き進む。実際の速度はわからなかったが、音と振動のせいで激走しているような気分になった。脳みそが揺さぶられ湿った風に吹かれているというだけで、声を出して笑ってしまいたいような気分だった。 
 
 
 
 

私は旅先で、必ずお酒を飲みます。日本にいる時も週に8日は飲んでいるので、海外に行ってもそれは譲れません。今回の「昼の歩き方」が仏塔見学なら、「夜の歩き方」は当然米焼酎を飲むことです。「海外で飲み屋に行くのって危険じゃないの?」という方も多いでしょうが、今のところ、私は10数ヵ国で飲んでいますが、危険な目にはあっていません。
それどころか現地の飲んべえと仲よくなれば、言葉や情報を教えてもらえるし、友達になって泊めてくれることもあります。
私が考えるに、飲み屋という場所は、その国の人たちともっとも打ち解けられるところなんです。是非みなさんも海外で飲み屋に行ってみてください(責任をとれませんが)。
誰ともシェアできないかわりに、自分だけの記憶の奥底にずっと沈みつづける宝物のような。飲み屋めぐりの旅をすると、そんな宝石がたくさん集まることになるわけです。

 

確かに彼らは、一般的な日本人と比べれば、金銭的には豊かではないかも知れない。

でも、幸か不幸かは、本人が感じるものであって、決して他の誰かから、そのものさしを押し付けられるものではないと思う。

ミャンマーは確かに貧しい。民主化から取り残されて、アメリカからは経済制裁を受け続け、ASEANの中ではお荷物状態だ。それでも信じられないほどに人々の心は澄んでいるという事実を、ぜひ知って欲しい。ミャンマーを訪れると、なぜここまで清廉で穏やかで心優しいのかと考えるのだが、煩悩にまみれた脳ミソでは答えが出ませんでした。

 

最後までごらんいただきありがとうございます。

 
/By Toshi 

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